古民家や古材、解体について

こんにちはひふみんです。

今回は古民家のリフォームや古材の利用方法、また解体についてお話ししていきたいと思います。

まずはみなさん古民家と聞いてどんなことを思い浮かべますか?

田舎にある茅葺の建物や、文化財に指定されているような木造建築を思い浮かべるのではないでしょうか。

確かにそのような建物が古民家であるのは間違いではないのですが、そうでなくても古民家と呼ぶこともあります。

では古民家とはどのようなものを言うのでしょうか。

古民家とは

実は古民家には正式な定義というものはないのですが、目安のようなものはあります。

古民家かそうでないかの違いは。その建物が築50年以上であるということと、昭和25年の建築基準法制定時に既に建築されていた、伝統構法により建てられている民家ということになっています。  *一般社団法人古民家再生協会より

築50年ですとそんなに古いという感じはしませんが、昭和25年以前ということなら約70年前なので腑に落ちる感じはするのではないでしょうか。

古民家(伝統構法)の大きな特徴は免震的な構造にあります。柱や梁などの木組みで構造耐力を生み出す工法で、地震の際には建物が揺れることで力を逃して倒壊を防ぐ考え方です。(免震的構造)

地震の多いこの国だからこそ生まれた地域的特徴ではないでしょうか。


では昭和25年(建築基準法制定時)以降に建てられた建物は何というかというと、在来工法と言います。

在来工法は伝統構法から派生した木造軸組構法で、伝統構法と同じく柱と梁で骨組みを構成し、さらに筋交いや火打と呼ばれる斜材で地震時に建物の変形を防ぐ構造です。

在来工法の大きな特徴は筋交いや付属金属や構造合板で壁量を確保し地震に対して剛な構造で対抗する建築構法です。(耐震的構造)

大きく分けるとこのような特徴があります。

他にも色々な特徴がありますが次回にお話ししたいと思います。

古民家の活用方法

最近では日本の伝統文化や景観が見直されつつあり、古民家にも注目が集まっているのを感じています。

古民家が多く残る地域では、地域や文化を活性化させるメリットもあるので、様々なことに活用されています。

身近なところですと古民家カフェやレストラン、民宿、ギャラリーなどとしての利用です。

その他にもリノベーションをして販売したり、投資物件として購入する方もおり、活用法は様々です。

私たちはもちろん、外国人観光客にも日本古来の風情が新鮮に映っていることの表れではないでしょうか。

伝統構法による木造建築は日本の気候や風土に基づき作られているので、環境にも優しいという要素も持ち合わせていますし、地域の歴史や文化を学ぶことにもつながるので人気が高まってきています。

また伝統構法は基本的に木、土、瓦、、石で構成され、放っておいてもすべて自然に還ります。

身体にも害はほとんどなく、見直されつつある建築構法なのです

そのため近年問題になっているシックハウス症候群などの原因とされる化学物質が発散する有害なガスが一切出ないので、それを理由に古民家に移住される方も見えるほどです。

古民家のリフォームやリノベーションについて

とはいえ築70年を超える木造建物ですから定期的に手入れをしない限りそのままで利用するのは難しい場合がほとんどです。

リフォームやリノベーションする場合には部分解体することになるでしょうし、
修復不可能な場合には全て解体してしまうこともあると思います。

また、解体ではなく、古民家鑑定を行うことで、古民家の価値を明確にし次の世代へ残すこともできます。

古民家のオーナー自身がすべての判断をするのは実際のところ難しいと思うので、古民家再生協会が実施する古民家鑑定をされることをお勧めいたします。

古民家鑑定により正確な建物コンディションがわかり、資産価値としては0円だった建物に新たな価値を生み出すことも可能になります。

全国の各地域に古民家再生協会がございますので下記のURLからお問い合わせください。
http://www.kominkapro.org/kominkakantei

私自身は、貴重になりつつある古民家を一つでも多く残していって欲しいという気持ちがありますが、オーナーの立場となるとそうは言っていられないということもあるかと思います。

伝統構法で建てられた古民家は日に日に少なくなっていて、その価値がわからないまま取り壊されているのが現実です。

もちろん建物の傷みがはげしく取り壊さなければならないものもあるかとは思いますが、長い歴史を経た古民家には太い梁や大黒柱など重厚で風格ある古材がたくさん残っていて価値の高いものもたくさんあるので解体業の対場から再利用のお手伝いが出来ないかと考えています。

古材の活用について

古民家には様々な木材が使用されていて、構造部分で多く使われるのは木目が狭く均一な針葉樹です。特徴は、柔らかく加工しやすいところにあります。

一方、大黒柱や内部の直接目に触れる部分は欅や桜などの広葉樹が使われていることが多く、床板やフローリング、家具などにも幅広く使われています。

その他にも栗やヒバなどの水に強い木材も使われており地域や使う用途によって使い方は様々です。

惜しくも取り壊さなければいけなくなった古民家には価値のある古材がたくさん使われています。

近頃では街中の飲食店やギャラリー、新築の住宅に古材が使われ経年変化による風合いを楽しむ人たちも増えてきています。

特に無垢の木材は時間が経つほど美しいあめ色に古美ていき温かみが増していくような感じがしますね。

そのような古材を廃棄してしまうのは勿体無いですし、再利用することにより資源の抑制、炭素の固定化で環境への負担軽減にも繋がります。

価値のある古民家をただ壊してしまうのではなく、利用できるものは再利用する。

そのお手伝いの一端を担っていければという思いで日々の業務に取り組んでいきたいと考えています。

まとめ

今回は古民家や古材の活用方法、特徴などについてお話しさせていただきました。

残せる建物(古民家)はリフォームやリノベーションをして再利用していってほしいと強く願っています。

ですが歴史的価値がある古民家でも解体しなければいけない時もきます。

その時に価値のある古材や廃材を少しでも再利用し次の世代につなげていきたい。
オーナー様の想いが詰まった古材に新たな居場所を提供できたら。

解体業の立場から出来ることはまだたくさんあると思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

一二三八    ひふみん

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