こんにちは、ひふみんです。
今回は解体工事をする上で避けては通れないアスベストについてい話していきたいと思います。
石綿の定義
石綿とは、自然界に存在するけい酸塩鉱物のうち繊維状を呈している物質の一部の総称です。
アスベストともいわれる蛇紋石や角閃石に含まれる鉱物の一種で、天然に産出する発癌性物質です。
蛇紋石族では(クリソタイル)、角閃石族(アモサイト、クロシドライト、アンソフィライト、トレモライト、アクチノライト)これら6種類の鉱物の総称として石綿(アスベスト)と呼ばれています。
この中でも蛇紋石族(クリソタイル)が最も世界で使われており、石綿の9割以上を占めています。
石綿の物性と用途
石綿の優れた性能
1 紡織性 : しなやかで糸や布に織れる
2 坑張性 : 引っ張りに強い
3 耐熱性 : 燃えず、高熱に耐える
4 耐摩耗性 : 摩耗、摩擦に強い
5 断熱 防音性 : 熱や音を遮断する
6 耐薬品性 : 薬品に強い
7 絶縁性 : 電気を通しにくい
以上の特性や製造コストが安価だったことが、主に建築建材(約8
割)として利用に拍車をかけてきた一因となってきました。
石綿の有害性
石綿一本の直径は0.01μm(マイクロメートル)で髪の毛の5’000分の1
程度の細さといわれています。
それだけ細いと肺の奥まで到着し沈着してしまうことが安易に想像できますね。
石綿関連疾患は、良性疾患(悪性(ガン性)疾患ではない)として石綿肺、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚、(ガン性疾患)として中皮腫、石綿関連疾患肺がんなどがあり、吸入してから10〜数十年経過後に発症するとされています。
また、石綿ばく露がない非喫煙労働者の肺がん死亡率を1とすると、石綿ばく露がある非喫煙労働者の肺がん死亡率は5倍、喫煙と石綿ばく露の両方がある労働者の肺がん死亡率は約50倍でといわれています。
リスクコミュニケーション
石綿による、ばく露(石綿を吸い込んでしまう事)は解体作業員、改修工事作業員だけではなく、その建物の所有者や使用者も注意しなければいけません。
2006年(平成18年)9月以降に着工された建物でなければアスベストが使用されている事がほとんどなのでDIYされる方や、吹き付け石綿のある建物での勤務をしている人は注意が必要です。
石綿繊維の飛散に起因する健康被害を起こすリスクは、石綿建材の除去作業などを行う作業員のとどまらず、石綿が使用された建物の維持管理や改修、解体工事の直接的な関係者以外も含むステークホルダーがこれらの対策に関与する『リスクコミュニケーション』という問題解決にのための手法が示されています。
建築物石綿含有建物調査者とは
調査者は解体、改修工事時や通常の建築物利用において、石綿が健康障害を引き起こすリスクを回避するため、世の中にある1棟ごとにすべて異なる一つ一つの建築物に使用されている建材に対して調査し、その建築物における石綿の使用の有無を判定することを担います。
しかし、一般的な建築物の所有者などが正確な調査を遂行するために十分な石綿の知識を有することは少なく、また、建築物の解体、改修の施工者が必ずしも十分な石綿の知識を有するわけではないため、専門家や有識者にその判断を委託することになります。
調査者の職責は依頼された調査範囲における結果に対する限定された責務であり、全体的な責務は解体、改修工事の施工者や建築物の所有者などにあることはいうまではありませんが、調査漏れのない石綿含有建材の有無の判定が調査者には求められています。
また、現場で石綿含有建材を撤去する際に事業者は、石綿作業主任者の選定、作業者は全ての者に特別教育を受けなければいけません。
大気汚染防止法
大気汚染防止法(大防法)は、大気汚染に関し、国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し、大気汚染に関して人の健康に被害が生じた場合の事業者の損害賠償責任について定めることにより、被害者保護を図ることを目的としている。
建築物を解体し、改造し、または補修する作業を伴う建設工事を行う際は、当該工事の元請け業者が石綿の使用状況の調査を行い、発注者の調査の結果の説明をしなければならないとされています。
レベル1, 2の石綿の使用が確認された場合は、工事の発注者は工事の届出を行わなければならない。
大気汚染防止法の一部を改正する法律が令和2年6月5日に公布され、一部の規定を除き、令和3年4月から施行されました。(レベル3も規制の対象に)
1 規制対象建材を拡大
2 罰則の強化
3 事前調査の信頼性の確保
4 作業記録の作成、保存
このように規制がどんどん厳しくなってきています。
詳細は環境省ホームページにて
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事前調査の具体的手順の例
事前調査とは、工事前に建築物等に使用されている建材の石綿含有の有無を調査することを言います。
調査は石綿含有無しの証明を行う事が基本となります。
手順の例
『発注者からの情報提供』(建物所有者)
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『書面調査』
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『現地での目視調査』
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『各建材について判断』
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『石綿あり』 『石綿無し』 『不明』
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『石綿みなしあり』 『試料採取』
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『分析』
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『石綿あり』 『石綿無し』
書面調査及び現地での目視調査で石綿含有の有無が不明な場合に分析を行います。
*工事対象となるすべての部材について事前調査が必要。
*平成18年9月1日 以降設置の工事に着手した建築物である事が書面で明らかである場合、目視調査は不要。
書面調査及び現地調査での目視調査は原則として実施する事となっていますので、発注者に方はご協力のほどよろしくお願いいたします。
また、事前調査(分析)では費用が掛かります。
建物の規模によって費用は変動しますのでお問い合わせください。
まとめ
今回はアスベストに関することをお話ししました。
石綿に関する法律や規制は日々厳しいものとなっています。
これも作業員の健康や周辺の環境に配慮した結果だと思います。
解体工事や改修工事の発注者の皆様に関しましてもアスベストに関連する情報を積極的に調べて頂いて、ご協力いただければ助かります。
その際はよろしくお願いいたします。
ひふみん